一般内科

一般内科診療について

くしゃみ、鼻水、のどの痛み、せき、たん、発熱、関節の痛みといった風邪の症状、おなかの痛み、吐き気・吐く、下痢と言った消化器の症状といった急性期の症状から、高血圧・高脂血症・糖尿病・高尿酸血症などの生活習慣病、慢性疾患まで内科全般の診断、治療を行っております。
どことなく身体の調子が悪いが、どこに行ってよいかわからない、といった場合でも当院にお気軽にご相談ください。

発熱されている方は、時間を決めて診察させていただいております。
受診される前にお電話ください。
TEL.072-230-3344

診療内容

かぜ症候群

病気について

多くはウイルスによる鼻から喉にかけての上気道の炎症を起こす病気です。良性の経過をたどり自然に改善します。

原因菌(ウイルスも含む)は、全体の80〜90%が200種類以上のウイルスで、ライノウイルス(30〜40%)、コロナウイルス(約10%)、他にRSウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスが続きます。残りは、一般細菌、マイコプラズマ、クラミドフィラが占めます。

症状は、微熱、喉の痛み、倦怠感が発症初日からみられ、1,2日遅れで鼻水、鼻づまりが強くなり、その後、咳、痰が出てくるのが一般的です。おおよそ3日目にピークを迎え、1週間から10日間で改善してきます。

診断

典型的な症状であれば、問診や経過から診断されます。

治療

典型的なかぜ症候群であれば、不要な抗菌薬投与を行わず、症状に対する治療、総合感冒薬や漢方薬、咳止め、痰切れの薬、解熱剤などで様子をみます。症状が強く、一般細菌感染が疑われる場合は、抗菌薬投与を行います。

必要な検査

  • 典型的なかぜ症候群の症状であれば、検査は不要です。
  • インフルエンザ流行期であれば、鼻腔・咽頭拭い液のインフルエンザ抗原検査
  • 新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、所定の医療機関でコロナウイルス検査を実施
  • 肺炎などが疑われる場合は、胸部エックス線写真撮影
  • 咳が強く、マイコプラズマや百日咳が疑われる場合は、血液検査を行います。マイコプラズマに対しては、咽頭拭い液を用いた迅速抗原検査が可能ですが、感度が低い(陰性であっても病気を否定できない)ため、現実的には総合的に診断されます。
  • 喀痰検査

新型コロナウイルス蔓延期のため、これまで言われていたかぜ症候群の管理・治療では対応が難しくなっており、タイムリーに検査や治療内容が変わっています。

インフルエンザ

病気について

季節性インフルエンザはA型、B型、C型、D型に分類されますが、ヒトに典型的な症状を起こすのはA型とB型です。症状としてはかぜ症候群に比べ、高熱が出たり、関節痛や倦怠感などの全身症状が強くみられます。多くは自然に治りますが、重症化し、死に至ることもあります。特に高齢者で死亡率が高い傾向があります。

A型インフルエンザウイルスは鳥や豚など色々な動物から検出されますが、ヒトに感染するのはまれです。ところが、鳥のインフルエンザ(A型)はヒトに感染の報告があり、感染した場合は重症化し致死率も高いです。A型インフルエンザウイルスにおいて、新しい亜型のウイルスが出来ると大きく抗原性が変わり、ヒトはほとんど免疫を持たないため世界的な大流行を起こす可能性があり、新型インフルエンザと呼ばれています(欧米ではパンデミックインフルエンザと呼んでます)。

診断

季節性インフルエンザは、1〜2日間の潜伏期間の後、発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感などが出現します。38〜39℃以上の発熱がみられ、3〜4日間持続します。鼻腔(鼻の奥)や咽頭拭い液(のどの奥)からウイルス抗原を検出するインフルエンザ迅速診断を用いて診断します。ウイルスが最も多くみられるのは発症してから24〜48時間頃なため、発症直後では検査を行っても陰性と診断されることもしばしばあります。

治療

内服薬として、タミフル®、ゾフルーザ®、吸入薬として、リレンザ®、イナビル®、点滴治療としてラピアクタ®があります。患者さんの年齢や病状をみてお薬を選択します。

必要な検査

  • 鼻腔・咽頭拭い液によるインフルエンザ抗原迅速検査
  • 血液検査、胸部エックス線写真撮影(重症化しやすい方など)
  • 喀痰検査(肺炎がみられた場合など)
新型コロナウイルス感染症(COVID−19、SARS-CoV2)

病気について

コロナウイルス感染症は、一般的なかぜ症候群の原因となるウイルスです。その中でも重症の肺炎を起こす新型コロナウイルスは、SARS(サーズ)やMERS(マーズ)が知られており、今回、2019年に中国で見つかった新型コロナウイルスは今まで発見されたコロナウイルスの型に当てはまらない新しい型です。SARS-CoV-2と呼ばれています(SARS-CoV-2による感染症をCOVID-19と呼んでいます)。

感染経路は、飛沫感染、接触感染で感染します。咳やくしゃみなどの症状がなくても閉鎖空間で近距離で多くの人と会話するなどの環境では、感染を拡大する危険性があるとされています。潜伏期は1〜14日間です。ウイルスに暴露されてから5日程度で発症することが多いとされています。発症前から感染性が高いことが特徴です。感染可能な期間は、発症の2日前から発症後7〜10日間程度と考えられています。
症状は、全く症状がない方から発熱、倦怠感、咳、痰、喉の痛み、頭痛、鼻炎、胸痛、嗅覚障害などがあり、重症化してくると呼吸困難を伴ってきます。中には下痢などおなかの症状を訴える方もいます。

これまで、分かってきている悪くなる要因(重症化する人の特徴)は、年齢が65歳以上、肥満症(BMI>30)、持病で高血圧症、コントロールが上手くいっていない糖尿病(HbA1c>7.6%)、肺の病気、心臓の病気、慢性腎不全、癌をお持ちの方、肝臓病、免疫不全の方などが挙げられています。

BMI(ボディマスインデックス)=体重÷身長(m)÷身長(m)例えば、身長160cm、体重80kgであれば、
BMI=80÷1.6÷1.6=31.25
と計算されます。

厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け) 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第3版

診断

喀痰、鼻咽頭拭い液、唾液などからウイルスを検出するか、ウイルスの遺伝子検出(PCR検査)、抗原検出を行い陽性となった場合に確定診断となります。
鼻咽頭からの拭い液(綿棒を鼻や喉に入れてこすり取ってくる)による検査が病原体を見つける最も良い方法ですが、ウイルスを飛散させる危険性が多いため、最近では唾液によるPCR検査や抗原検査が増えてきています。
重症度は、軽症、中等症I(呼吸不全なし)、中等症II(呼吸不全あり)、重症に分類してます。

治療

色々な症状に対する対症療法(咳止め、痰切れの薬、解熱剤など)を軸にCOVID-19に対する特異的な治療が行われています。

現在承認されている薬は、レムデシビル(抗ウイルス薬)、デキサメタゾン(ステロイド薬)があります。
他に保険適応外ですが、日本国内で手に入る薬としては、トシリズマブ(関節リウマチ治療薬)、ファビピラビル(アビガン®)(新型インフルエンザ治療薬)、シクレソニド(オルベスコ®)(気管支喘息治療薬)、ナファモスタット(急性膵炎治療薬)、サリルマブ(関節リウマチ治療薬)、ネルフィナビル(HIV感染症治療薬)があり、主に特定臨床研究として使用されています。
その他、呼吸不全がある場合、進行する場合は、酸素療法から人工呼吸管理、体外式膜型人工肺(ECMO)まで治療が行われています。

また、血液浄化療法、血栓症対策(ヘパリンなどによる抗凝固療法)なども併用することがあります。

治療については、「この治療は効果があった」、「この治療は効果がなかった」と毎日のように世界中から報告があり、治療の見直しが行われています。従いまして、その都度、主治医の先生のお話をよく聞いて治療を受けてください。

必要な検査

  • 唾液によるPCR検査や抗原検査
  • 鼻咽頭拭い液によるPCR検査や抗原検査
  • 酸素飽和度測定(SpO2)
  • 病状に応じて、血液検査、胸部エックス線写真、胸部CTスキャン撮影など

鼻咽頭拭い液による迅速抗原検査キットもあるが、ウイルス量が少ない場合は陰性となるため、いつ検査を行ったか、病状によって結果の解釈をする必要があります。

検査体制は、各自治体で調整しており、状況によって変わることがあるため、その都度、お問い合わせください。

高血圧症

病気について

全身に血液を送るために心臓が収縮して最も高くなった動脈内の圧力を収縮期血圧(よく上の血圧と言っています)、逆に全身からの血液が心臓に戻ってきて心臓が拡張して最も低くなった動脈内の圧力を拡張期血圧(よく下の血圧と言っています)と呼んでいます。

この血圧が高い状態が持続しますと、圧力による動脈の壁にストレスがかかり、動脈の内側が障害を受け、また圧力に対抗するため壁が厚くなり、硬くなります(動脈壁肥厚、動脈硬化)。最終的には、動脈の中が狭くなり、場合によっては閉塞してしまい、内臓に血流が行かなくなることにより脳卒中や心筋梗塞や狭心症などを引き起こします。当然、血管は全身にありますので、腎臓の血管が硬くなれば、腎不全になります。

診断

高血圧症の診断は、診察室(診療所や病院)で測った血圧で収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上あるいは拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上で高血圧症と診断されます。家庭で測定した血圧では、一般的に血圧が低くなりますので、収縮期血圧135mmHg以上、収縮期血圧85mmHg以上で高血圧症と診断されます。
安静にしてもらった座った状態で血圧を2回測定しその平均値を血圧値とします。

なお、白衣高血圧という言葉があり、医療スタッフが測定すると高血圧になる方がいます。全体の15〜30%になると言われています。このような場合は、診察室外の血圧を血圧値として判断します。

治療

まず最も大事なのは生活習慣の改善です。

生活習慣の改善点
  • 食塩制限6g/日未満(塩分控えめ)
  • 野菜・果物の積極的摂取
  • 適正体重の維持:BMI<25
  • 運動療法:軽強度の有酸素運動(速歩、スロージョギング・ランニング)を毎日30分または週180分以上を行う
  • 節酒:アルコール量として男性は1日20〜30ml以下(ビール中瓶1本程度)、女性は10〜20ml以下に制限する
  • 禁煙

生活習慣の改善を行っても血圧が下がらない場合は、薬物療法を開始します。しかしながら、脳心血管病のリスクが高いと判断される(血圧があまりにも高い、他の生活習慣病など持病をお持ちの方)場合は、生活習慣の改善と同時に薬物療法を平行してて開始します。

血圧を下げる薬には多くの種類がありますので、病状に合わせて薬を選択します。

必要な検査

  • 心電図
  • 血液検査、尿検査
  • 胸部エックス線撮影
  • 心エコー
  • 脈波伝播速度、心臓足首血管指数、足関節上腕血圧比(良く血管年齢と言われてます)などを行うこともあります。
  • 頸動脈エコー検査を行いプラークがあるかどうか調べることもあります。
糖尿病

病気について

糖尿病は、慢性の高血糖状態が持続し、それによる様々な症状と合併症を引き起こし、健康を損ないます。血糖を下げるホルモンはインスリンのみです。糖尿病の方は、インスリン抵抗性(インスリンが効果を示さない)またはインスリンの分泌が低下しています。糖尿病は、①Ⅰ型糖尿病、②Ⅱ型糖尿病、③特定の原因や病気による糖尿病、④妊娠糖尿病の4つに分類されます。生活習慣病である糖尿病は主に②のⅡ型糖尿病です。

高血糖の症状は、喉の渇き、多飲、多尿、体重減少などがみられ、著明な高血糖になると倦怠感、手足のしびれ、視力障害、麻痺、意識障害などが出てきます。また、長期に高血糖にさらされますと全身の血管がボロボロとなり、特に細かい血管が多い、眼(網膜症)、腎臓(腎症、腎不全)、神経(神経障害)が障害を受けます。血流が悪く、神経も傷害され足の先の感覚も鈍くなり足が腐ってきて切断される方や、腎臓が機能しなくなり透析を受ける方、心筋梗塞を起こす方、最近では、癌の発症との関与も注目されてきています。

診断

確定診断には、①早朝空腹時血糖値126 mg/dl以上、②75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間後血糖値200mg/dl以上、③随時血糖値200mg/dl以上、④HbA1c 6.5%以上、のうち①〜③のいずれかと④が確認されれば「糖尿病」と診断します。
①〜④のいずれか1つだけがみられた場合は、「糖尿病型」と診断し、再検査を行って再度「糖尿病型」の診断であった場合は、「糖尿病」と診断します。
①〜③のいずれかがみられ、糖尿病の典型的な症状があったり、糖尿病網膜症が発症している場合は「糖尿病」と診断します。

治療

初回診断時にインスリン治療の適応がある場合は、専門医での治療を勧めます。インスリン治療の適応がない場合は、食事・運動療法を行い、数ヶ月経過をみて血糖値が下がってくるかみます。食事・運動療法の効果がみられない場合は、1剤から薬物療法を導入し、効果がなければ更に薬を追加していきます。

薬物には、ビグアナイド薬(インスリン抵抗性改善薬)、スルホニル尿素薬・グリニド系薬・DPP-4阻害薬(インスリン分泌促進薬)、αグルコシダーゼ阻害薬(食後高血糖改善薬)、SGLT2阻害薬(ブドウ糖排泄促進薬)があります。

必要な検査

  • 血液検査(血糖値、HbA1c、他の生活習慣病のチェックなど)
  • 尿検査(糖、蛋白、ケトン体)
  • 心電図(心筋梗塞のチェック)
  • 必要に応じて胸部エックス線写真
脂質異常症

病気について

血液の中の脂質濃度が異常値を示す病気を脂質異常症と言います。脂質には、総コレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)、HDLコレステロール、LDLコレステロールがあり、動脈硬化を引き起こします。脂質が高くなると血液がドロドロになると良く言われます。心臓の血管(冠動脈)が動脈硬化を起こすと心筋梗塞や狭心症など発症し、死亡率が高くなります。またトリグリセライドが非常に高くなると急性膵炎を発症する可能性があり注意が必要です。

またご家族に同様にコレステロールが高いことがあり、アキレス腱や皮膚に黄色のできもの(黄色腫)がみられることや若くして心臓の病気にかかることがあります。

診断

空腹時に採血した検査結果にて、LDLコレステロール≧140 mg/dlであれば高LDLコレステロール血症、HDLコレステロール<40mg/dlであれば低HDLコレステロール血症、トリグリセライド≧150mg/dlであれば高トリグリセライド血症と診断されます。総コレステロールからHDLコレステロールを引いたものをNon-HDLコレステロールと呼び、トリグリセライドが400mg/dl以上であった場合や、食後の採血であった場合に用います。Non-HDLコレステロールが170mg/dl以上であった場合は、高non-HDLコレステロール血症の診断となります。

治療

今まで冠動脈の病気(心筋梗塞や狭心症など)を起こしたことがある場合は、生活習慣の改善と一緒に薬物療法を開始します。
冠動脈の病気がない場合は、糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞、手足などの動脈の病気など危険因子や年齢、性別、喫煙歴、血圧、コレステロールの数値をみて冠動脈の病気を発症する危険性をみて低リスクから高リスクまでを判定し、治療を行います。治療の最初は生活習慣の改善で、それでもコレステロールの数値が下がらない場合は、薬物療法を行います。
生活習慣の改善を行っておおよそ2〜3ヶ月後にコレステロールの数値が改善しているか評価することが多いです。

生活習慣の改善
  • 禁煙、受動喫煙を回避する
  • 過食と運動不足に注意し、適正な体重を維持する
  • 肉の脂身、動物性の脂肪、卵(鶏卵)、果糖を含む加工食品の大量摂取を控える
  • 魚、緑黄色野菜を含めた野菜、海藻、大豆製品、未精製穀類の摂取量を増やす
  • 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取する
  • アルコールの過剰摂取を控える
  • 中等度以上の有酸素運動を、毎日合計30分以上を目標に実施する

お薬は色々な薬があり、どのコレステロールの数値が高いかによってお薬を選択します。

必要な検査

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 心電図

他の生活習慣病(高血圧症、糖尿病など)としばしば合併しますので身体検査や血液検査にて異常値がみられた場合、さらにそれぞれの病気の検査が必要となります。

高尿酸血症(痛風)

病気について

高尿酸血症は、血中の尿酸の濃度(尿酸値)が高くなる病気です。尿酸の濃度が高くなるなると尿酸塩と言う結晶が関節の中に出現し関節炎を起こします。いわゆる「痛風」と呼ばれる病気です。痛風発作は、足の親指や足首によく見られ、初期は違和感がある程度ですが、強い痛みとともに赤く腫れ上がり、熱を持ってきます。

激痛のために歩けなくなる人もいます。症状は2週間くらいで改善します。また、尿酸塩が腎臓にくっつきますと腎障害がみられ、痛風腎と言われる間質性腎炎がみられることもあります。また尿路結石もしばしば合併します。高尿酸血症のタイプは、尿酸の産生が過剰となる「産生過剰型」、尿酸の排泄が低下している「排泄低下型」、両方がみられる「混合型」の3つに分けられます。
他の生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)としばしば合併しますので注意が必要です。

診断

血液検査にて尿酸値が7.0mg/dl以上であれば、高尿酸血症と診断されます。
痛風発作時には、似た様な症状を引き起こす病気(外反母趾、蜂窩織炎、関節リウマチ、偽痛風、骨折、靱帯損傷など)ではないことを否定します。これまでに高尿酸血症を指摘されている場合や痛風発作を起こしたことがあればわかりやすいですが、初めて痛風発作を起こした方は、血液検査を行っても尿酸値が高くなく診断が難しいことがあります。関節に針を刺して関節液を採取し、顕微鏡で観察すると針状の結晶が白血球に食べられている像がみられます。

治療

まず、食事療法、飲酒制限、運動の推奨を行い、生活習慣の改善を目指します。食事については、1日摂取するプリン体は400mgを超えない様にします。プリン体が多い食材は、動物のレバー、魚(さんまやあじ)の干物などが挙げられます。プリン体の少ない食材は、カリフラワー、かまぼこ、ちくわ、豆腐、乳製品、鶏卵、トウモロコシ、さつまいも、米、パン、うどん、そばなどが挙げられます。しかし他の生活習慣病があるようでしたら食材を新調に選んでください。アルコールはプリン体を含むか含まないかに関係なく、体内で尿酸が産生されますので、ビールであれば500ml以内にとどめてください。

痛風発作時は、グルココルチコイド・コルヒチン(前兆がみられたとき)、非ステロイド抗炎症薬(鎮痛薬)、副腎皮質ステロイドなど投与します。
痛風発作がみられる高尿酸血症に対しては、3〜6ヶ月かけて尿酸値を6.0mg/dl以下にして、その後は、6.0mg/dlいかに安定する様に薬の量を調節して治療を続けます。治療薬には尿酸排泄促進薬としてベンズブロマロン(ユリノーム®)、プロベネシド(ベネシッド®)、ブコローム(パラミヂン®)、尿酸生成抑制薬としてアロプリノール(ザイロリック®)、フェブキソスタット(フェブリク®)、トピロキソスタット(ウリアデック®)があります。病状によってお薬を選択します。第一選択薬としてアロプリノールが選択されますが、重症のじんま疹が出ることがありますので注意が必要です。
無症状の高尿酸血症では、他の生活習慣病がある場合は、尿酸値8.0mg/dl以上で、生活習慣病がない場合は、尿酸値9.0mg/dl以上で治療導入を考えます。

必要な検査

  • 血液検査(尿酸値を含め、糖尿病や脂質異常症をチェックします)
  • 尿酸クリアンランス試験
  • 関節液穿刺(内科では行わないことが多いです)
胃腸炎(感染性下痢症)

病気について

発熱、腹痛、下痢、嘔吐などの症状がみられます。何らかの病原微生物が腸に感染して感染性腸炎が起こります。病原微生物には、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫があります。一般的な病原微生物としては、ノロウイルス、ロタウイルス、カンピロバクター、サルモネラなどがあります。

症状 潜伏期間 原因 病原微生物
症状吐き気・嘔吐、水下痢、発熱、腹痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛 潜伏期間1〜2日 原因牡蠣など二枚貝、生野菜、ヒトから感染 病原微生物ノロウイルス
ロタウイルス
症状発熱(38℃以上)、下痢、腹痛、吐き気・嘔吐、血便 潜伏期間1〜7日
(平均3日)
原因生の鶏肉、生卵、卵製品、レアの焼き鳥 病原微生物カンピロバクター
症状下痢、吐き気・嘔吐、発熱(38℃以上)、腹痛、血便 潜伏期間8時間〜3日 原因生の鶏肉、生卵、卵製品、レアの焼き鳥 病原微生物サルモネラ

汚染された食品や水では、下痢原性大腸菌(潜伏期間12時間から3日)、ビブリオ腸炎(潜伏期間12時間〜2日)などもあります。なお、コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌、腸チフス、パラチフスは感染症法で3類感染症に指定されています。

診断

細菌性腸炎は、便を培養し下痢の原因菌が検出されることで診断されます。ウイルス性腸炎は一般的に確定診断が難しいです(しばしば「今年の風邪はおなかに来る」など言われます)。ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスについては迅速診断キットがありますが、保険適応には制限があります。
食べたものから感染していることが多いため、1週間くらいの食事で思い当たることがあれば先生に伝えてください。

治療

多くは症状に対する治療のみで改善します。つまり脱水に対して点滴による補液、ひどい下痢の時は下痢止め、整腸剤などを投与します。重篤な細菌性腸炎の場合は抗菌薬投与することにより数日改善を早めます。しかし、副作用としてクロストリジウム腸炎など別の腸炎にかかることや耐性菌などの危険性があります。

必要な検査

  • 血液検査
  • 便培養(高熱や血便がある場合)
  • 血液培養(重篤な場合)
  • 寄生虫の虫卵検査(慢性的な下痢や抗菌薬が効果ない場合など)

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